【1992年】

生態学への影響が懸念されるオゾン層破壊は日本上空でも進み、オゾンが減少しているという。映画「ハイランダー2・甦る戦士」は、そのオゾン層をなくした地球を舞台に描くSFバトル。

2024年、オゾン層を失った地球は太陽からの有害な放射能性の光線を防ぐために巨大なシールドで覆われていた。このシールド開発の中心人物はコナー・マクラウド(クリストファー・ランバート)。彼は惑星ザイストから追放されて地球にやって来た超人だが、いまや65歳。すでに第1線を退き、人間としての人生を全うしようとしている。

「ハイランダー2・甦る戦士」は、このマクラウドのその後。シールドのコントロール室を占拠し、地球制覇をたくらむザイストの悪の将軍カターナ(マイケル・アイアンサイド)の挑戦を受けて再び戦士として立ち上がる姿を描く。

背景は世紀末現象を予告したノストラダムスの深刻な世界。だが、ここを舞台に描かれる善玉と悪玉の戦いは打って変わったファミコンの面白さ。特撮のうまさと歯切れのよさが架空の世界に引き込んでいく。

シールドされた地球を宇宙から、また地上からとらえた珍しい光景、さらにバトル・シーンでも多用して、ノストラダムスもびっくりの近未来映画を見せる。頭が切断された途端に体が崩れ落ちるカターナ将軍や空飛ぶ暗殺者、マクラウドが高速で回転するファンの刃から間一髪逃れるラストなど特撮が光る。ハラハラとおかしさ。コミック世代に受けそうだ。


戸川利郎

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